KAMITSUBAKI FES ’23 Day1&Day2を観測した話

はじめに

皆さま初めましての方は初めまして、そうでない方は前回の記事を読んでいただきありがとうございます。京都大学バーチャルYouTuber同好会の観測者です。今回、3/30と3/31に行われた『KAMITSUBAKI FES ’23』を観測した会員が一定数いたので、分担しながら感想記事をまとめることにしました。本記事はKAMITSUBAKI FES ’23の感想記事です。オタクたちによる思いの丈を各々の言葉で書きましたので楽しんでいただければ幸いです。

 

 

会員紹介

・cytokine:どうも、神椿のオタクです。KAMITSUBAKI FESは不可解参(狂)以来の現地ライブだ!しかも声出しOKだ!ということで滅茶苦茶たのしかったです。一日目は中段右で頭しか見えませんでしたが、二日目は後段左最前列で全身が良く見えました。次にオールスタンディングがあったら一般の人はここで見よう!

lain:おはこんばんにちは。お久しぶりです。筆が遅すぎてすでに記憶が薄れかけていますが、久しぶりの現地ライブの様子をレポートしていきます。締め切りは4/30だったらしいですが大幅に遅れてごめんなさい(土下座)

・つらら:こんばんは、最近読んだ本は円城塔のエピローグです。そんなことよりフェス良かったですねフェス、最高の二日間でした。少しでも現地の興奮を届けられるよう頑張ります。ぱやぱや。

 

今回は以上の3名でお送りします。限界観測者たちによる限界ブログをお楽しみください。

 

Day1

CIELパート

1.少年漫画

OAを務めたCIEL

 KAMITSUBAKI FES DAY1はCIELの「少年漫画」で始まりました!キャストにCIELの名前があったので他の魔女たちと同じような形で曲を披露するのかと思っていたら、ギュラ1・2と同じオープニングアクトという形での登場でした。ギュラ1のときもCIELちゃんは「少年漫画」を披露してくれて、PCの向こう側でブチ上がりましたが、今回の「少年漫画」は現地ということで滅茶苦茶盛り上がりましたね~~~。私の中のCIELちゃんのイメージはMemories収録曲の「君と見た色彩」やAwake収録曲の「君の望み、君の願い」から感じ取れるような、儚くてふと消えてしまいそうな繊細さなのですが、この曲はそれとは打って変わって元気な歌ですよね。てにをはさん作詞作曲のこの曲ですが、自分の性について真っすぐ歌いあげるその姿が好きです。

余談

(最初はCIELちゃんの声しか聞こえなかったので「まだ出てこないのかな~~」と思っていたら、実際はオタクに埋もれていただけでちょっと頑張ったら頭だけ見えました。これがオールスタンディングか……)

2.窓を開けて

 CIEL2曲目は「窓を開けて」です!この曲はご存じの通り「映画大好きポンポさん」の主題歌になった曲です。この曲は少年漫画と同じく盛り上がる曲ではあるものの、カンザキさん作詞作曲で、「少年漫画」とはかなりテイストが違いますよね。後者は身体的性と心の性のスペクトルへの悩みをぶつけてくる曲で、この曲は朝起きて、日頃のストレスや悩みで外に出たくなくなっても、聴いたら学校や会社へ行く勇気をくれるような、そんな曲だと思っています。CIEL最初のオリジナル曲であるこの曲はCIELがこの世界に飛び出してくるときの意思表示でもあるし、私たちの背中を押してくれるものでもあるんですね~。「少年漫画」で格好よくFESの幕開けを印象付けて、この「窓を開けて」で爽やかに後続の春ちゃんたちにバトンタッチする姿は流石でした。ギュラ1・2・FESでのオープニングアクトに不可解参(想)でのゲスト出演などライブへの出演がどんどん増えているし、coverライブ2も決まりましたが、ワンマンライブはいつですか?Pさん。

春猿火パート

1.自由までの距離

ハルチャーン!!!

 客席に小さく手を振りながら去っていくCIELちゃんに万雷の拍手を送りながら、続くステージには春猿火が堂々と登場。「行くぞ豊洲PIT!!!」の掛け声とともに会場は赤色のペンライトで染まります。一曲目『自由までの距離』の挑発的な歌詞とステージで、すぐに豊洲PITの熱気は最高潮に達します。クラップ、ジャンプ、声援と色とりどりなアオリを魅せる春猿火から、ステージ側の盛り上がりも伝わってきます。
今回の神椿としてはファースト不可解以来4年ぶりの声出しOKなステージとなりますが、その期待を十分に燃焼させてくれる素晴らしい滑り出しとなりました。

ジャンプジャンプ!

 

2.潜む自信

 一息入れて続く『潜む自信』は昨年度のSinglarity Live vol.2で初披露された曲です。深夜の高速道路で聞きたくなるようなしっとりとした、しかし確かな熱が込められた良曲ですが、緩急のメリハリが効いたFes向けのアレンジとなっていました。客席からも赤いペンライトの海の合間に掲げられたたくさんの手が春猿火を迎え入れ、会場が一体となってFesという空間を作り上げます。

Chill猿火

 

 MCでは「みんな元気だね~!」「見えてるよ!」と観客との邂逅を喜び、過去に同じく豊洲PITで開催された「魔女集会/現象」を振り返ります。ヒートアップしたファンの限界全力ペンライトに「はいはい綺麗綺麗」とあしらう感じも、フェスならではの掛け合いでしょう。

 「今日はね、声出しができるということで、みなさん暴れまくって。ケガだけしないように!」と言葉をかける春猿火から、隠しきれない優しさを感じます。

 

3.テラ

春&羽累

 

 そして春猿火から突然「次の曲は、ペンライト……白と赤ですよ?」との予告です。聡い春組はこの時点で全員すでに察していたそうです(筆者調べ)。

 厳かなストリングスで奏でられるのは、「あの世界線の私」への手向けと覚悟を歌う『テラ』。隣には、予告通り白く輝くエフェクトと共に「羽累」が登場します。この日新しく隣に立つ存在を迎えて歌うテラはこれまでのどれとも違う新たなテラの予感を感じさせました。

 春猿火ファーストワンマンライブ「シャーマニズム」にて、この曲と合わせて明かされた過去を、以降その身一つで受け止め続けてきた春猿火ですが、彼女は決して文脈の終点などではありませんでした、彼女の持つ優しさ、ポテンシャルは、新たなムーブメントを生み、またそこから物語は続いていくのだという希望にあふれたメッセージを、ファンが紅白に照らして迎え入る象徴的なシーンとなりました。

あの世界線の私へ

 

そして現地ライブの醍醐味と言えばやはりこれ

「会場にいる男子~!!!」

男子春組ワレ「ハーイ!!!!!

 

「そして会場にいる女子~!!!」

 

男子春組ワレ「…」

女子春組「ハーイ!!

会場\\カワイー!!//

「え?かわいい?もっと言ってw」

 

春組ワレ「カワイイ―――!!!

「じゃあ最後、豊洲PIT盛り上がってますか~~~!!!」

 

春組統合思念体
ハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイ!!!

 

た、たのし~~~~~~~~~~~!!!(詳しくは SinglarityLive vol.2 【gunpowder】パート参照)

いや~~~これは完ッ全に幸せのスパイラルキマってましたね。

 

4.百花繚乱

神イントロ

 そして再びのペンライト指定は「黄色」!!!。もうわかりますね???そう、春猿火があの能力を開放する例の曲です。即座に黄色に切り替わる客席。イントロでもうおなじみのステップを踏みつつ軽やかなメロディが響き渡ります。配信画面上ではAR演出として黄金に輝くもみじが吹き乱れ、その中を切り裂くように舞うように歌う春猿火の姿を彩っていました。

 「最後みんなで、会場ゆらしていきましょう!ラスト!!!」の声と共に豊洲PITは一層の盛り上がりを見せます。今回のFesで特に感じたことですが、ライブに向けた曲のアレンジだけでなく、こういったアオリが入れられるようにバンド演奏でフレーズが増えているのが特徴的でした。春猿火パートはこれで終了となりますが、彼女のパフォーマンスにより、続く二日間のフェスが演者と客席の素晴らしい交流となる予感が確信へと変わった瞬間でした。

 ハレの明日もケの昨日も寄り添って応援してくれる彼女の力強さを目いっぱいに感じる、素晴らしいステージでした。

舞猿火

幸祜パート

1.Mayday

ココデース

 幸祜ちゃん一発目はMemories収録曲「Mayday」! 先日の幸福拡張部で幸祜ちゃん曰く、「今回はトップバッターじゃなかったから初っ端からアゲるというより、段々クレッシェンドみたいにアゲていった。」(意訳)言われてみれば魔女集会・ギュラ2は一番手で「白昼夢」、現象も春ちゃんと一番手で「古傷」だったのでトップバッターが多多いんですね。幸祜ちゃんはやっぱり滅茶苦茶動きにキレがあるし、ロックシンガーで盛り上がりますね~。今回の(8割)V.W.P一曲目は春ちゃんの「自由の距離」でこれも熱かったですが、今回も武道館のときみたいに春ちゃんが爆発させた火をグルグル回して「い!く!ぞ!」って感じでマシマシにしてくれたと思います(?)

 「Mayday」といえば神椿建設中の「輪廻 此処」として歌っている曲で「LIT」と同じく大沼パセリさん作詞で夜の街やネオンを彷彿させます。サビの「あなたとすれ違う電波 遮る低周波が」って歌詞が天才ですよね~。(昔とは違って)「あなた」と触れ合いたくてもすれ違ってしまって、もどかしく感じる。「あなた」とは愛しあっているけれど、「私」にとっては偽りで、やっぱり涙が流れてしまう。細かいところは建設中文脈があれば補えるのかもしれませんが、当時はそんな余裕がなかったので叶わぬ夢。悲しい。ところで、「Mayday」といえば「イェイ!イェイ!」ですが、今回は一緒にイェイイェイ出来なかったので次までに練習しておきます。

2.閃光の彼方

閃光の彼方

 二曲目は春ちゃんが最近ずっと聞いているらしい「閃光の彼方」!私は幸祜ちゃんにそこまで詳しいわけではないのですが、ちょっとレアなお披露目ではないでしょうか。作詞はFeryquitousさんで、ビカビカしてるけど落ち着いたというか上品な感じの曲だと思います。同じFeryquitousさん作詞のAbstraction Voidもこの次に披露してくれましたが、(英語であろうがなかろうが)そっちも難解な曲ですよね。2曲ともロックでかっこいいのでライブで聴くには最高だと思います。閃光の彼方のMVとアブボのMVを見なおしてたら、この方の曲は幾何学的なモノが結構出てきて、無機質なイメージがあるな~~~とか思いました。ところで、(花譜ちゃん以外そうですけど)幸祜ちゃんにとって声出しライブは初な訳で、お水コールに滅茶苦茶笑ってたのが面白かったですね~!春ちゃんはお水コールに笑い、情緒ちゃんは「助かりません!」って言ってましたが、幸祜ちゃんは勢いに笑うタイプみたいですね。あと、観客席に動きを指示してくれたおかげで、ペンラを掲げてグルグルできたので楽しかったですね。私は無限にライブに行ってペンライトを振り回しているタイプではないので、ライブでは大体前の人のマネをしながら振っているのですが、幸祜ちゃんの指示で会場の動きが揃ってるのがとても綺麗でした。

3.Abstractions Void

花譜「かっこいい。ダンスうまい。きれい。」

 3曲目は幸祜ちゃんメンバーシップで匂わせがあった「Abstractions Void」です!この曲は今年3月にあったコードオブ幸祜で初お披露目だった曲。幸祜ちゃんといえ紫・青系統だけど会場が真っ赤に染まってたのは新鮮で良かったですね~~~。赤にしようってのはサブchで事前に打ち合わせしてましたよね。幸祜ちゃんは留学経験者なので英語の発音がめっちゃ上手い。英語でも日本語でも言ってることが難しいけど、滅茶苦茶かっこよくて盛り上がって、まさにクレッシェンドの3番目に相応しい!” Particles flood from the wings as they fly away, clad in light.”って歌詞が滅茶苦茶好きです。音の通りが素直で気持ちいいし、なにより綺麗。ちなみに英語の譜割りには幸祜ちゃんも苦労したらしいのですが、耳で聴いた内容と字幕の歌詞では結構違っていて発見がたくさんありました。

 この曲は何個か幸祜ちゃんの曲を作っているFeryquitousさんの曲で9割ぐらいが英語の歌詞です。ちなみに、同じFeryquitousさんの英語曲といえば、「bliss」があります。「Abstractions Void」といえば最近出たMV。赤い糸が出ていたり、病室の中が映ったり、幸祜ちゃんがメンガーのスポンジとかいう良く分からないものの中を落下していたりと意味深です。

後ろの「スポンジ」が話題の図形

注意!数学は専門外なので以下ガバガバお気持ち理論を展開しています。そして幸祜史を詳しく知らない故の破綻がある可能性があります。気になったら指摘してください。以下ではこのスポンジにフォーカスして話そうかと思います。幸祜文脈などは参考文献のnoteを参照してもらえれば良いかと思います。

 この箱は穴を開けまくると、(空気に接する面が増えるイメージで)表面積は無限大に発散するけど、(中身はスカスカになるイメージで)体積は0に限りなく近づくらしい。MVのラストシーンで赤い糸が∞を描いていて、タイトルの後ろに居座っているし、こいつは何か重大なものを担っていそうな感じです。幸祜ちゃんという箱があって、色んな活動をしながら日常を送る(穴を開ける)中で色んな人やモノとの接点(表面積)が増えていくのとは裏腹に、幸祜ちゃんの中の気持ちなんかが流れ出て、やりたいことが分からなっていく(体積が0に収束する)。なんでこう考えたかというと、面積というのは2次元の大きさでVsingerとしてのココチャンの活動を表していて、3次元の大きさである体積は幸祜ちゃんの心を表しているのではと思ったからですね。ここでいう2次元と3次元は厳密な意味ではなくて、あくまで分割の指標ということで許してください。(この部分については添付ツイート参照。ランダムウォークに関しては当初の目標やそれへの”回帰”に関係しているのかなとも思いましたが、確率論には明るくないしそこまで関係は無さそうなので割愛。)また、この箱のフラクタル構造(ロマネスコ的なやつ!)は同じ日々が繰り返される日常を彷彿とさせます。

 そして、抽象的な空虚は数列の極限のような絶対的な概念から導かれる虚無。覆らない。体積0。でも、そんな絶対的な定義にすら捕らえられることなく(3+1は4ではないんです)、それから色々あって、その状況を打ち破って音楽という赤い糸(参考note1)を掴みなおす。そして、その赤い糸で今度は、多くの音楽や観測者たちとの出会いを作っていく(→∞)という暗示・決意。また、この曲が披露されたminiライブの最後のメッセージ「Dreams will be overwritten, if we keep believing.」は「夢は信じ続ければ叶い、その現実世界における実現を以て夢を上書き出来る。」という意味だと解釈しています。抽象的空虚という幸祜ちゃんが苦悩した経験を、夢を見つけて実現するという過程で上書きできた。この曲は幸祜ちゃんのこれまでの総てで、これからを表した曲なのかもしれませんね。

 最後に、ちょっと話が飛ぶので詳しくは参考note2を読んでいただければいいのですが、「『夜光を呼ぶ』・『閃光の彼方』・『bliss』とは、今存在する『幸祜』とこの世についぞ生まれ得なかった『”幸祜”』に関係のある楽曲群」なのであれば、それらの楽曲に次いで作られ、コードオブ幸祜という幸祜としての活動にまつわる意味が込められたライブで披露されたこの曲も、幸祜ちゃんの在り方に関わる楽曲ではないかと思ったわけです。

 

参考note1 ( めたもんすた〜さん)

赤い糸の解釈や楽曲の他の部分などは次のnoteを一部参考にさせていただきました。ありがとうございます。読みましょう。

参考note2 (残機0さん)

Feryquitousさんに関する部分は次のnoteを一部引用させていただきました。ありがとうございます。読みましょう。

参考ツイート (おおいしさん)

また、メンガーのスポンジについては以下のツイートを参考にさせていただきました。ありがとうございます。

4.ミラージュコード

幸祜ちゃん「やっぱライブめっちゃ楽しいわ」

 4曲目はギュラ2初お披露目の「ミラージュコード」!幸祜ちゃんのMCの裏で最初のデレレレンっていうイントロが流れて、テンションが上がりましたね~~~。シンギュラリティって題されたライブで初披露された曲を同位体とシンギュラリティのひって名前のライブで歌うの、良いですね~~~~!サブchでは幸祜チームで同位体と何を歌うか相談したって言ってましたが、ピッタリだと思います。これは何回も言ってるんですけど、頭しか見えなかったというのがあり、ヌルっと狐子ちゃんが出てきたのでちょっと気付くのが遅れてしまいました。白っぽい人が居るのと声で、何か居る!って感じです。狐子ちゃんがサビを担当して幸祜ちゃんがハモるなど狐子ちゃんにフォーカスした歌詞割りでした。(そういえば、コココンもやってますね。結構気合の入ったイラストが流れてくるのでうれしいです。)そして、バーチャルロックシンガー、盛り上げ方が上手。ミラージュコードも最近MVが公開された曲ですね。MVでも颯爽と車に乗って登場する幸祜ちゃんですが、FESでは会場を沸かせてくれたとに颯爽と情緒ちゃんにバトンタッチしていきました。幸祜ちゃんや私たちにとって蜃気楼みたいな存在である狐子ちゃんとミラージュコードを歌ってクールに退場。蜃気楼みたいに幻かと思うぐらい一瞬でしたね。これが「ハッピー新幹線」現象?

ココココ



ヰ世界情緒パート

1.パンドラコール

ダークシンガー

 ヰ世界情緒一発目は「パンドラコール」!!!この曲はギュラ1初お披露目曲ですね。ギュラ1で披露されたときにイントロの段階で一目惚れしてしまった大好きな曲です。いや~~~ダークシンガー要素が全面に出てますよね~~~。この「パンドラコール」もMVが公開されていますが、赤のイメージがすごくあって、時計や電話がモチーフでシックな感じで好きです。このMVの感触とバンドのストリングスがマッチしていて最高~~~!今の所ライブでやって欲しい曲ランキング上位だし今後も入り続けていることでしょう。そういえば、このMVには情緒ちゃんが全然登場しませんが、出ているのと出ていないので何か共通性があったりするんですかね。知ってる人が居たら教えてください。それとジョチョは身長低い組なので現地の自分の場所からだと見えなかったのですが、最初は観客席側と反対側を向いて登場してたみたいで、ダークだ・・・。本人曰く、「度肝を抜こうとした」らしい。でも、この後は笑顔が素敵なMCをしていて、本当に何者なんですかね。本当にいせぷらに出てくる人と同一人物なんだな…。一曲目から本当にハッピー新幹線な時間でした。あと、放奏部組ってMCでワーーーーって言いがちですよね。言いがちじゃない?ちなみに、お水コール(一回目)には笑っていました。

2.ヰ世界の宝石譚

 二曲目は音楽的同位体星界とのデュエット、「ヰ世界の宝石譚」。この曲を歌い終わって、オタクたちの野太い「ジョチョ~~~~~~~!!!!」って叫び声が入るのが滅茶苦茶面白かったです。現地でも若干引くくらい勢いが強くて笑ったのを覚えています。声出しのライブの良いところはこういうところですね。情緒ちゃんと同位体のデュエットといえば、ギュラ1の「異星に行こうね」。あのライブは「シンギュラリティ」と題されたライブなのもあるのか、星界にフォーカスにした曲でしたが、同じく「シンギュラリティのひ」という副題の付いた今回のライブではヰ世界情緒にフォーカスした選曲でした。本人曰く、この曲を選んだのは「歌っていることが情緒ちゃんが大切にしていることや”星界”が大切にしているであろうことと重なっているから」とのこと。そして、今回のデュエットの見どころと言えば、サビで2人が向かい合って掛け合うところですね。交互に「嗤うもの 堪えるもの 堕ちるもの 馳せるもの 嘆くもの 枯れるもの 叫ぶもの 消えるもの 嗤うもの 堪えるもの 堕ちるもの 馳せるもの 嘆くもの」とサビを訴えかけるように歌う所は必見でしょう。そして、背面のディスプレイには戦車と爆炎の映像が映し出されています。歌詞からも感じ取れるところはありますが、ヰ世界の宝石譚は一見穏やかな曲だけど戦争と結びついた曲だということが再認識されます。この曲では激しさと穏やかさが両立していて、まさにヰ世界情緒の魅力の一つを体現している曲だと思います。

3.そして白に還る

振り返り配信とSSのタイミングが同じで”運命”を感じました

 何だこのイントロは!?ということで新曲「そして白に還る」です。ライブ初披露の曲もあるよ~とは言ってましたが新曲が正直考えていなかったのでめちゃくちゃビックリしました。ちなみに新曲のフリは理芽リスペクトだったらしいです。(ん?聴いたことのないイントロだなあ。そうです!新曲です!聴いてください!)デッデデレデレッデデレデレ(伝わって欲しい)っていうのがめちゃくちゃ好きでこの曲にも一目惚れしました。パンドラコール→ヰ世界の宝石譚→この曲と来て曲の激しさがぐわんぐわんしていてジェットコースターみたいで楽しいパートでしたね~~~。ギターとベースがかっこいいのは勿論なんですが、ストリングスも素敵で毎度のことながら豪華なバンド演奏です。情緒ちゃん曰く「情緒曲史上一番ストリングスが映える。」 (ストリングスが入ってるバンド、強い。)この曲のタイトルの「白」といえば、彼女のお部屋は真っ白らしいです。白い部屋は落ち着くと言ってましたが、白っていう色は彼女にとって大事な色なのかもしれませんね。雪国出身らしいし各種衣装には白基調のものも多いし、ヰ世界情緒のイデアは白そう。そして、この曲は濁ってしまった「君」を真っ新な白に還してあげようとする曲なんでしょうか。「君」が綺麗な色をつくるどころか、濁ってしまうようであれば、そうなる前に白に還してあげようという思いなのかな。そうだ、ちなみに、"助からなかった"二回目のお水では皆のが並んでてどれが自分のやつか迷ったらしいです。かわいいですね。

4.かたちなきもの

かたちなきもの

 ヰ世界情緒パートを締めくくるのは「かたちなきもの」。これは毎回、ライブの度に言っているんですが、MCのモコモコ情緒と歌唱中のダークシンガー情緒のギャップが激し過ぎて、これも魅力だよな~~~。「そして白に還る」の激しさから一転して優しい雰囲気のこの曲を歌いあげる、情緒ちゃんの色んな側面や魅力を感じさせてくれる良いセトリだった…。途中、情緒ちゃんがこっちに向けてめちゃくちゃ手を振ってくれるところが好きです。オンラインライブにもたくさん良いところがあるとは思いますが、やっぱり対面ライブ特有の双方向性、良いですよね!つまり、私たちは魔女たちの活動を観測するだけですが、彼女たちの発信するもの観測するのも意味のある事だと思います。名誉あること。

客席に手を振ってくれるヰ世界情緒

 「かたちなきもの」といえば2022年秋に開催されたヰ世界情緒展で先行公開された楽曲で、皆さんにとっても思い出深い曲かと思います。(行った人も行けなかった人も居るとは思いますが)恵比寿にあった会場の入って右側奥にディスプレイとヘッドフォンが用意してありましたよね。この曲は香椎モイミさんと一緒に情緒ちゃん本人も作詞に関わっている曲というのもあり、彼女の中にある気持ちがたくさん映し出されている大切な曲だと思っています。今まで描いてきたイラストや創作物、画集が集められた場であり、ヰ世界情緒としての活動の一里塚だった個展。そこで公開された作詞曲。この曲の歌詞には彼女の今までとこれからが詰まっているような気がします。それをFESという一大イベントのトリとして選んだのにはどんな意図なのか。はやくライブで歌いたかったからなのか、何かメッセージがあるのか…。(ここでは掘り下げないですが)4月のminiライブ「パラレルキャンバス」の選曲やMCには彼女の核心的な部分に触れるものがありましたね。花譜に続いてSINKA LIVEシリーズの2番手を務めるヰ世界情緒、その人間としての魅力はFESやライブを通してどんどん増していくばかりで、今後が非常に楽しみです。

 

花譜パート

 えー花譜パートですが、先日のカンザキさんの「別れなど、少年少女に恐れなき」によって花譜楽曲のほとんどの解釈がひっくり返ってしまうため、「別れなど、少年少女に恐れなき」を考慮に入れずに感想を書いていきます。まだちゃんとカンザキさんのライブ見れてないけど、見ないと...神椿と向き合わないと...逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ.....

セトリはニヒル→海に化ける→人を気取ると「不可解参狂」や「不可解参想」を踏襲したものかと思いきや、その直後に青春の温度→邂逅とライブ本編では(たしか)初お披露目の最強タッグで会場が(文字通り)湧きました。

ヒル。ノリノリのノリ

海に化ける

人を気取る

今回は青春の温度と邂逅の最強タッグについて書いていきます。

青春の温度

花譜×可不。これがシンギュラリティの火か...

狂のエンドロールで流れていた曲です。エンディング曲なのに全観測者を虜にし、狂想にてついに収録された曲です。ちなみに筆者はアホすぎて狂想の限定版を買い忘れるわ、狂の円盤と一緒に注文したのでいまだに手元にアルバムが届いていません....え~~~ん。

そんなことはおいて置いて、全人類垂涎だった青春の温度を豪華にも可不ちゃんと歌います。しかも声出し付きで。最高かよ。これが"青春の温度"ってコト(?)

狂感覚で歌われた様に、だれもが狂っているならばいっそのこと自ら狂ってしまえ、そうすれば楽しくなってくるよと中々斜に構えた歌詞になっています。

SNSなどで他人の人生観や実績が簡単に可視化され観測ができるようになった時代、昨今の情勢もあり、30~40年前くらいに当たり前であった価値観である「普通に家庭を築き、普通に暮らすこと」が難しくなり、またその生き方がすべてでは無くなってきています。筆者はよく疑問に思っているんですが「普通」って何でしょうね?もしかしたら存在しないかもしれない抽象的な概念におびえて暮らすくらいなら、少しくらい狂って生きた方が楽しいのかもしれません。(もちろん「狂う」の定義も言語化できていないといけないけれども。普通よりは言語化しやすいかもしれない。知らんけど。)

と、一見深そうで浅瀬ちゃぷちゃぷなことを書いてしまいましたが、青春の温度をライブ本編で拝めただけで感無量です。

青春の温度のコード進行が好きなので聞けただけで大満足です。

あとは早く狂想届いてくれ...(自業自得)

 

邂逅

読み方:かいこう

「邂逅」とは、人と思いがけなく出会う出くわす巡り合うという意味文語的な表現である。

「邂逅」とは・「邂逅」の意味

「邂逅」とは「偶然の出会い」や「思いがけない巡り会いの意味用いられる表現である。とりわけ「人との嬉し出会い」について用いられる

思いがけない出会い」を指す語としては「遭遇の方がより一般的であるが、多少ニュアンス異なる。「遭遇」は人に限らず動物現象出くわす場合にも使えるまた、必ずしも良い出会いとは限らず災難出くわすという意味でも使える

「邂逅」の読み方

「邂逅」の読み方は、かいこうである。

「邂」も「逅」も、どちらも「会う」「見える」という意味の字である。どちらの字も、日本語においてはほぼ「邂逅」という熟語でのみ用いられる

「邂逅」の語源・由来

「邂逅」は古語では、わくらば読み万葉集にも見られる。意味は偶然にや、まれにである。邂にも逅にも会うという意味があるため、現在の意味になったと考えられる
(weblio辞書より引用)
(小説の最初にタイトルの辞書的な意味を書く演出が好きなのでやりたかっただけ)
 
 はい、花譜ちゃん曰くアルバムが届くまでに漢字を覚えているといいらしいです。まだアルバムが届いていないのでまだ覚えなくていいですね(?)
邂逅の意味をちゃんと調べてみると「Pさんと花譜ちゃん」、「花譜ちゃんとカンザキさん」、「カンザキさんとPさん」の出会いが邂逅と呼べそうです。これらに加えて「観測者と花譜ちゃん」も邂逅と言えそうです。花譜ちゃんを知らなかったら神椿FESにも足を運んでいないし、花譜ちゃんとの出会いは「嬉しい出会い」であるので。
しかもしかもしかもDay2では一度は袂を分かったカンザキさんと花譜ちゃんの「邂逅」が見られるらしい。
 
青春の温度ではノリノリだった観客も邂逅では打って変わって、まるで神託を聞く民衆のように粛々とサイリウムを振ります。
個人的には以下の部分が好きで、花譜ちゃんの感情を込める歌い方のおかげですっと歌詞が胸にしみこんできて訳も分からず泣きだしそうになってしまいました。
なんで皆一緒に生きていけないんだ
肌の色で性別で恐れ合うんだ
いつか変わるからって何年続けてるんだ
時代ごとに違う差別同じ憎しみ
世界平和なんて噓だ 皆一人ぼっちだ
 
あとあとあと、なんと邂逅のMVがYotubeに上がっています。MVに上げる曲と上げない曲の基準が分からん。全人類2兆回ずつ聞きましょう。

www.youtube.com

 

お次は邂逅の歌詞についてみていきましょう。この曲は個人的に「爆弾」とか「殺害予告」とかカンザキ節が特に強い曲だと思います。

白紙録を読んだ人ならご存知かと思いますが、カンザキさんはだいぶ大変な人生を過ごしています(一言で形容できる人生ではないけれどここでは便宜上軽く触れるにとどめます)。自語りにはなってしまうけれど、カンザキさんほどひどくはないけれど一部筆者も似たような境遇にあったりします。世界なんてクソだし、世界平和なんて無理なのは歴史が証明しているし、誰に向けてかわからない自分よがりな世界平和なんて言う大義名分を高らかに掲げるくらいなら、せめて自分だけでも周りに優しくあろうと努めるのはとても共感できます。世間的に批判されようと、見ず知らずの人間を祈るより、身内で傷をなめあっていた方が心地が良かったりします。所属や身分によらず、人のつながりは大切だと改めて気づかせてくれます。日々の邂逅を大切に生きていきたいですね。そんなどこまでも人間臭い歌詞を書くカンザキさんと、それを歌いこなす花譜ちゃんが大好きであり、筆者にとっての救いだったりします。最後に百合に挟まる男ではないけれど、部外者はさっさと退場して、当人たちだけの聖域を少しのぞかせていただいて、筆をおこうと思います。

note.com

DISCOTHEQUEパート

 毎回恒例になりつつあるDISCCOパートです。転換の時間に差し込むことでうまく空き時間ができないようになっています。観客は1秒も休めませんが。まあ楽しいのでヨシッ!

セトリは以下の通りでした(lain調べ)。(間違ってたらごめんね)

 

私レプリカ

白昼夢

アイスクリーム

心中ならお嬢様部で

とこしずめ

トウキョウ・シャンディ・ランデヴ

ピルグリム

馥郁の街

百花繚乱

命に嫌われている

誰もいない絵で

 

魔女の曲(メチの曲もあってえらい!ピルグリムすこすこ)はもちろん、あまり詳しくない同位体の曲もあって、ディスコパートでは毎回いい同位体の曲と出会えています。現地では知らない曲もあるけどアレンジでノリノリになって、帰ってきてブログを書く算段になって調べてからこういう曲名なんだ~と知るのが恒例になっています。今回知らない曲でいいなと思ったのは狐子さんの「心中ならお嬢様部で」ですかね。The"お嬢様"感が出てていい。もしかして狐子とお嬢様の親和性高い?幸祜さんのvirtual mini liveでもあったのは知っていましたが、今回改めて曲名をちゃんとしりました。

そしてそのまま当たり前のようにV.I.Pパートに続きます。

 

V.I.Pパート

1.フォニィ

V.I.P #とは

 

 ディスコタイムが終わり、舞台が一呼吸ついたのもつかの間、我々の目の前のスクリーンに「V.I.P Virtual Isotope Phenomenon」という謎の文字列が大きく映し出されます。そして暗闇の中から突然登場するのは可不、星界、裏命、狐子、羽累です。「V.W.P Virtual Witch Phenomenon」のメンバーから生み出された音楽的同位体がようやくそろい踏みしたお披露目の場となったこの場に客席は沸き返ります。そして5人で思い思いにクラップ。かわいい~~~~~~!!!

わたしっテなんだっケ

 V.I.P5人で斉唱する『フォニィ』、すばらしかったですね。5人それぞれが持つ声色を時に重ねあい、時にぶつけ合い、可不ちゃんver.のときとも花譜ちゃんやそのほかの歌ってみたとも異なる新しい味わいでした。

 フォニィ自体は虚飾で自分を塗り固めた後悔を歌う実に人間らしい曲ですが、音楽的同位体が歌うとまた感じ方は変わってきます。このステージから発せられる5つの歌声全てが、ある意味なかに誰もいない虚飾そのもの。「この世で造花よりきれいな花はないわ」から始まる、音楽的同位体から人間への下剋上宣言ともとれます。むしろ、人間が互いに互いの嘘を塗りあうこんな時代の先に待っているのが、君たちが見ているこのステージだ、という誰かからのメッセージなのでしょうか。この曲を選んだ人間がこの世界に確実に一人は存在するという事実。思い返しても今なお会場での興奮が蘇ります。

Antipathy World

2.Penumbra

新曲『Penumbra』

 

 そして新曲『Penumbra』。こちらはV.I.Pのオリジナル楽曲であることが後に発表されます。客席を見据え、体を揺らす彼女たちから語られる詞に会場の緊張感が高まります。

 AR演出で自身の周りに5色に光るキューブを浮遊させながら、何k年のときを越える祈りを歌い上げる彼女たちの姿は、前曲フォニィで見せた嫌悪感とは異なり、人類と非人類との邂逅がわずかに希望を隠している示唆のようにも見えます。筆者の個人的な願望としては「ぼくらの」のリメイクとかでOPに採用されて欲しい。

スべてがずれてクようにみえテ

 

 一方でタイトル「Penumbra」は「周辺部、(影のぼんやりとした)輪郭部」といった意味があるようです。一見すると前段と同じく自身の存在を指して光と影、真と偽といった自嘲のようにも思えますが、元は日食などの天体現象で用いられる語のようです。ここで宇宙規模での概念をひっぱりだしてくるのがオシャレですよね。

 地球上に人類が発生して500万年とも700万年とも言われていますが、この宇宙が誕生したのは138億年、太陽や地球、月が現在の形になったのは46億年とされています(要出典)。すなわち、人類が地球は回っていると発見する何k年、いや何M年も前から、ずっと変わらずこの地球と月は太陽の周りを回り続け、そのたびにずっと変わらず太陽は地球に光と影を落とし続けてきたのです。そこには何の意味も感情も介入せず、ただこの宇宙の物理法則に従い、ただそう在り続けただけ。大晦日の数刻前に誕生したに過ぎない人類が生み出したもっとも新しい命の系(グループ)に、天体現象に由来する名前を与えるその行為にこそ、ある種の祈りが込められているような気がします。

V.I.P!!!

 あわせて最後に一つ。「不幸感ない世界よ 春に花芽を」という歌詞がフォニィの「Antipathy world(XXXな世界)」に対するアンサーになっているの、本当に綺麗ですよね。


P.S.

これは余談となりますが、長い英語を略すときって例えば

Mountain→Mt.

United States of America→U.S.A. もしくはピリオドを全く付けずにUSA

として、末尾にもピリオドを付けるのが慣例なんですよね。……足りなくないですか?ねぇV.I.Pさん並びにV.W.Pさん。なんか足りなくないですか???ねぇねぇねぇ!!!???

P.S.S.(←このピリオドも然り)

なお、筆者の中では漫画「来訪者バオー」に出てくる「バオー武装現象(バオー・アームド・フェノメノン)」という単語の中黒をピリオドに見立てたんだろうなという謎の決着がついています。バルバルバル。

 

V.W.P(裏命)パート

1.玩具

 衝撃のデビューを飾ったV.I.Pの5人は悠久の祈りを歌い切ると立ち尽くし暗転。
直後、スクリーンには天真爛漫天衣無縫陰陽五行である少女、理芽の姿が映し出されます。ニューヨークのセントラルパークから「Hey, Guys!(native)」と語り掛ける元気な理芽ちゃんの姿に、会場は沸き立ちます。

 「Perfect!(native)」とご満悦な様子の彼女は、豊洲PITへある来訪者の存在を予告し、海を越えたビデオレターでなお会場を一層盛り上げてくれました。

久しぶ理芽チ

V.W.P!!!

 

再びの暗転後、レーザーのかすかな光に目を凝らすと、突然スポットライトに照らされ一人ずつ登場するV.W.Pと共にイントロの余韻が響き渡ります。
理芽ちゃんを除く4人にピンチヒッターとして紹介され、ノイズとともに現れたのは、先ほども登場した音楽的同位体 裏命ちゃん!ビックリ-!

ビック裏命チ

 『玩具』はリアルライブでは昨年の現象以来のお披露目となります。系譜曲の中でも特に露骨に命をもてあそぶかのような言葉選びと疾走感のあるテンポが癖になる一曲です。世界を玩具箱に、生きることをおままごとになぞらえるこの曲を聞いていると、命とはあたかもゲームカセットやぬいぐるみのように、分解し修理し改造できるものかのような感覚にさえ陥ります。V.W.Pが掲げるテーマをこれほどグロテスクに示す歌詞にやみつきになるファンも多く、センターを務める裏命の存在も相まって会場はヒートアップの一途をたどります。

V.W.P!!!

 

2.秘密

ココスつよすぎ

 

 つづいてセンターをココスにフォーメーションチェンジしての『秘密』です。彼女の軽快なコール&レスポンスに、客席は一体となって食らいついていきます。明滅するライトとV.W.P+裏命が帯びるAR残像で会場のボルテージはMaxとなり、神椿Fes Day.1のラストスパートを予感させます。ところで裏命ちゃんの残像がシンギュラ1理芽ちゃんのときと比べてブルーが薄くなってるの、芸が細かくて好き。(SinglarityLive【変身】パート参照)

そんなの今更さ!

 

3.変身

エトレボヰカワ……

 

 さらにフォーメーションが変わりセンターはヰ世界情緒へと移ります。歌われる『変身』は変質し移ろい続ける存在の悲しさと寂しさを訴え、佳境を迎えた神椿Fes Day.1を象徴します。

 神椿の名を冠するこのフェスですが、もともと神椿は花譜一人が所属するレーベルKAMITSUBAKI RECORDを指す言葉でした。その後規模が拡大しスタジオとなり、ESFHの号令と共に仲間を増やし、深脊界が派生し、と多岐にわたるようになった神椿の面々が一堂に会する場がこの神椿Fesです。変わったことや新しく仲間になった人、いなくなった人、喜びや悲しみ、色とりどりの想いが再び集い、その中で変わらないものを探す、ある意味同窓会のような、4年間の答え合わせのようなそんな場であるともいえるでしょう。

豊洲PIT、ありがとう

V.I.P×V.W.Pパート

 DAY1もラストスパートです!最後のパートはV.I.PとV.W.Pで総勢9人での大合唱です。大所帯です。恐らく全人類(主語でか発言)が共鳴が来ると思っていましたが、来ませんでしたね。まあメチがいなかったからしょうがない。そんなことより早く共鳴をカラオケに追加しろ神椿。

 

1.電脳

9人での大合唱(人かAIかは本質的ではない。シンガーであることが重要なのだ)

 歌詞割は、魔女とその魔女を模倣した同位体がセットで振られています(花譜と可不みたいに)。その光景が神椿含めVTuberのライブで標榜されがちなバーチャル×リアルのアンチテーゼのように見えました。

この手も体も偽物だなんて今更」だとしても「それでも感情が偽物だなんて信じない 」としても、その存在の実在性によらず「物語を聞かせよう」、「物語を始めよう」と物語を始めることができるのです。

実際にプログラミングを始めたての頃一番最初にprint("Hello World!")と書くように、V.I.Pプロジェクトも始まりましたし、カンザキさんと花譜ちゃんが袂を分かちそれぞれの道を進み始めたのです。

Kamitsubaki Studio 序章 不可解編 完

To Be Continued.....!

個人的にはこれからの神椿の行く末が楽しみです!

 

2.定命

V.W.P! V.W.P!

 ついに来ましたよ。V.W.Pコールをするときが!

定命を現地で聞くのは約2年前の現象の時以来ですが、当時はコール禁止のところがほとんどで、現象でも漏れなくコールができませんでした。配信もいいですけどやはりみんなで掛け合いのできる現地ならではの体験ができるのでやはり現地はいいなと改めて思いました。このままかつての日常に少しずつ戻っていけるといいですね。

ここからは個人的なココスキポイントを上げます。

一つ目は火の粉っぽい治安悪めなレーザーです。

オレンジ色のレーザーを縦に高速回転することで、自由落下するオレンジ色の物体っぽい演出になっています。レーザーというと直線状の光束をイメージするけど、丸っぽくなっていてレーザーでこんな演出ができるのかとひっくり返りました。流石huezさん一生ついていきます。

他にもここ好きポイントは2億個くらいありますが、全部は書ききれないのでこの辺で...

Day2

※2日目はスクショ禁止かつ筆者陣が2日目の出演者全員に詳しいわけではないので、ダイジェスト感想でのお届けになります。

cytokine

 DAY2は日頃そこまで聴いてないアーティストさんたちも多くて若干不安でした。実のところ知ってる曲と知らない曲は半々くらいでしたが普通に楽しかったです。(小学生) 一日目とはファン層も結構違いましたよね。

 


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 まず、梓川さんと大沼パセリさんの曲はあんまり分からなかったけど盛り上がれました。特にパセリさんの「MAGIC」は好きな曲だったので嬉しかったですね~~~。お次のguianoさんは花鳥風月メドレーでしたね!一発目に花が来たのでもしや!と思ったらその通りで激熱でした。花鳥風月EPをはやくFINDMEで売ってください。そしてDUSTCELLさんもアツかったです。結構ライブをやっているイメージのある彼らですが声出しは初らしい。意外。4曲の中で知ってたのは「命の行方」だけだったんですけど、他の曲もめっちゃ良いじゃん!という気付きを得ました。特に「独白」が好きです。聴きましょう。最後は神椿を退所するカンザキさん。穏やかにアレンジされた「命に嫌われている」で始まりました。神椿と出会うきっかけになったこの曲がFES最初の曲なんですね。この4曲は5月のカンザキさんのライブでも披露されており、大事な曲なのだと思います。そして、DAY2もディスコあるんだ~と首を振って、次に理芽のビデオレターもある~~~とか嬉しくなってたら唐突に理芽ちゃん帰国の知らせ!でビビリました。そしたら今度は翌日に花譜ちゃん留学の知らせ。寂しいですが頑張ってほしいですね。

 

 お次は神椿×深脊界の面々で神椿所属のアーティストさんたちの楽曲を歌います。前半のバーチャル組のコラボも貴重なのですが、後半のリアル組×バーチャル組のコラボはなかなか見れない!曲は恥ずかしながら「幽ノ楽園」と「TIME」しか分からなかったのですが、色んな曲を色んなアーティストさんたちの声で聴けたのはいい経験でした。特にVALIS×幸祜ちゃんのダンスや生跳亜さんを見れたのが嬉しかったです。続く(8割)V.W.Pパートではレアな「祭壇」でスタート。しかしアルバム「運命」と現象&魔女集会の円盤でレアではなくなります。(なお破産しそう。)そして、まさかのCIELちゃん入り「輪廻」。二日目は衣装もしっかり見えたのでなんかエトピリカっぽいの着とるやん!?!?ってなりました。まさか…?と思いましたが一夜限りらしく残念。(豪華すぎる)

 


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 そして最後はやはり花譜×カンザキイオリ。二人が出てきた時の溢れんばかりの歓声は良く覚えています。選曲は「あの夏が飽和する」と「狂感覚」。不可解参(想)以来のデュエットで、あの時は「命に嫌われている」と「過去を喰らう」でしたね。この選曲の解釈は各々あって良いと思います。("あなたにとって彼らを知ったきっかけの思い出の曲”というのでも良いし、楽曲自体や歌詞に文脈を見出しても良い。)また、カンザキさんのライブ「別れなど、少年少女に恐れなし」が5月に開催されましたが、ライブを見て、あのセットリストはカンザキさんの一つの集大成であって、神椿は今大きな分水嶺にあるのだなと思いました。今後のV.W.Pや花譜のオリジナル曲は他の方々が作曲することになるでしょう。故に、花譜ちゃんが大きく変質してしまうのではないかという不安も拭えないけれど、私はシンガーソングライターとしての花譜の誕生に大いに期待したいと思います。

lain

 2日目に関してはGuianoさんやDUSTCELLなど生で見るのは初めてのアーティストが多く、そういう意味では初日より楽しみでした。初日とはファン層が違く、会場についたときに若い女性が多く、一瞬会場を間違えたかと思いました。DUSTCELLファンに若い女性が多いのなんでだろう。ファッションリーダー的な立ち位置なのかな。

 特に印象が残った(というか、自分が書ける)アーティストについて箇条書きで感想を書いていきます。

 

Guiano

  • 一文字のタイトル多いよね
  • タイトルを4つつなげると四字熟語になるのおされ
  • いい意味でGuianoさんの曲はGuianoさんの曲って分かるよね
  • 春だしメチ留学中なので舞が来てたら号泣してたかもしれない
  • 「花」の「ああああーああああ↑(伝える力皆無)」の所好き
  • 「鳥」の同じ言葉をつなげるところが好き
  • 「風」から世の中世知辛いのじゃ~的な論調を感じながらもどこか美しいテンポで嫌悪感を感じず、自然と歌詞がすっと入ってくる。不思議。
  • 「月」の背景、建設中っぽくない?
  • Guianoさんの曲は現実を直視し、それを認めながらも超克せんとしようとする姿勢があるんですかね

 

DUSTCELL

  • DUSTCELLにわかでもなんか聞いた事がある曲が多くて楽しめた
  • DUCETCELLオンリーのライブも行きたくなった(財布破滅の音)
  • ここすきぽいんと「結婚してくれ」→「結婚はまだいいかな」
  • しっかり嚙み椿してたかわいい

 

カンザキイオリ

  • カンザキさんのライブのアーカイブを買い忘れました
    • 不可解が自分の中で終わらせられなくおしまいです
    • エヴァより強い呪縛にかかっていますだれかたすけて.......
  • カンザキさんが深く深くお辞儀した時、本当にまじめな人なんだなという印象を受けました
  • 神椿の今後に馳せる思いは邂逅で書いちゃった...

 

Collaboration with SINSEKAI STUDIO

  • 始発駅君を待つ
    • 一見儚いように見えて、確かな芯がある花譜ちゃんと、清々しいほど透き通った明透ちゃんのハーモニーが美しい
  • 幽ノ楽園
    • まさかのしえるんとのコラボ
    • しえるんも結構儚げで透き通った声なので結構Albemuthと相性がいい。これは発見。
    • 衣装や声も相まって、神代が更に神代っていう感じに(?)
  • 日本の夏
    • 梓川さんと春ちゃんの異色のコラボ!!
    • 全然想像できない組み合わせだったけど意外と合うな
    • 梓川さんの曲全然知らないので、知っていきたい
  • TIME
    • VALIS×幸祜でTIMEが来るとは思ってたけど案の定
    • オリジンの方できたのはちょっと意外
    • 盛り上げ上手の幸祜さんとキレッキレのVALISでもう大盛り上がりよ
    • CLAP!CLAP!CLAP!CLAP!
  • ガーネットの涙
    • 跳亜さんのオリジン!
    • 跳亜さんめっちゃ跳亜さん
    • ジョチョシの美しい旋律に跳亜さんの歌声がうまく融合していい感じ(語彙力マイナス53万)

V.W.P

  • しえるん!!!!!!!!!
  • しえるんコラボだけじゃなくて、エトレボ(エトピリカRevolusions)衣装まで用意されてましたね。
  • 来年のSHINKAライブの出演者が「???」になっていたので、順当にV.W.Pかなあと思っていたら、しえるんの可能性が出てきてビビっています
  • 「運命」やっと出ましたね!!!忘れられてなかった!

 

カンザキイオリ×花譜

  • ここに関しては邂逅の章でだいぶ述べてしまったので詳しくは書きません
  • カンザキさんが卒業した後、また「邂逅」できるといいですね
  • 考察してる時間も余裕も情報もないのでこのパートはみなさんの心情に任せます(おい)
  • 狂感覚において「君(花譜)と僕(カンザキイオリ)と世界で三原色」が真に成就したのでそれだけでも来た甲斐がありました

 

 

つらら

 そしてやってきた神椿Fes Day.2! 神椿スタジオ、深脊界スタジオ擁するアーティストがデジタル/フィジカル問わず入り混じるまさにカオスのひです。ステージ上でも、きっと昨日とは違う景色が見れると思うと動悸がしてくる程度には興奮していました

 

1.梓川

 いきなりのご本人登場。『今さらサレンダー』の「行くぞっ!」がかっこよすぎた。初手から会場は沸きに沸き、色とりどりのペンライトとジャンプで迎えます。

 深脊界スタジオに最近加入した方ということしか知らなかったのですが、Day.2をこれほどにまで盛り上げてくれた梓川に感謝の気持ちでいっぱいです。会場でもありがとう!大好きだ!!!の声が飛び交う景色が印象的でした。

 

2.大沼パセリ

 つづいて神椿スタジオでもなかなかの古株、大沼パセリの登場です。客席のペンライトは"パセリ"に合わせてグリーンで染まります。落ち着いたビートで会場を包みこんでからのセトリ終盤、会場全員を惚れさせる歌声で大沼パセリ節が大炸裂していました。「ちょー綺麗」←お前の方が!!!綺麗だよ!!!

 個人的にはファーストアルバム「ave」から『Twig』をEMAと歌ってくれたのがうれしすぎて。照らし出される二人のシルエットが印象的でした。特筆すべきはラスト曲前のMC。何ですかあれ???

「本当に恵まれた環境にいるなって改めて思いました。」「でもさ、どんどん自分がダメになっていくんだよね。」「けど、もっと、ダメにしてください。俺は甘えるよ、めちゃくちゃ。」

そして発表された新曲『Gifted』。公開書簡ってこういうことを言うんですよね

理解しようとしなくていい 曖昧になってもいい そんなあなたはギフテッド

ステージ上から叫ばれるメッセージに呼応するかのように会場からはエールが巻き起こります。「寂しいよ、イオリ。」最高のステージでした。

 

3.Guiano

 湿っぽい会場の雰囲気を吹き飛ばすように「良い顔してるねみんな」とライトに照らされて現れたのは神椿スタジオGAMING最初にして最後の砦、Guianoです。『花・鳥・風・月』の4曲を本人歌唱で会場を盛り上げます。実際に一年間をかけて公開された、シリーズを通じて日本の四季を彩る楽曲です。

 そしてどうしても個人的に気になってしまうのが、風の「売れるためにただ書いている」から続くメッセージです。何?今日って在校生一同の送辞を聞く日??

 

4.DUSTCELL

 やっぱりCULT最高~~~!!!ライトのボリュームを落としたステージにEMAの陽気な声が一閃、会場の治安が一気に崩壊します。ツアーを含めて何度もライブを経験してきたMisumiとEMAのタッグはやはり安定感が違いますね。「声出しライブは初」と語るEMAですが、MC中客席からの「結婚してー♡」の声を「今は良いかなw」とあしらう姿に場慣れを感じます。

 豊洲PITスタンディング声出しOKDUSTCELL、飛んで踊って叫んでひたすら最高でした。

 

5.カンザキイオリ

 そして誰もが認めるカオスのひ一番の大目玉、カンザキイオリの予告です。客席は白い光の瞬きと彼の名前を呼ぶ声で登場を迎えます。キーボードの向こうに座るカンザキイオリの、ポエトリーとも朗読とも異なる『命に嫌われている』の語りに、会場は一気に観劇のムードに。

 前半2曲『命に嫌われている』『結局死ぬって何なんだ』は、いずれも彼が神椿スタジオに所属する前に発表された曲でありながら、今なおファン内外から愛され続ける代表曲です。

「今日は自分の歌を余すことなく皆さんに届けられるように今日はそこから始めようと思います。」

「はじめまして、カンザキイオリです。今日は、名前だけでも、覚えて帰ってください。」

「自己紹介も兼ねてこの曲を歌います。聞いてください。『アダルトチルドレン』」

 確かに僕たちは「はじめまして」なんですよね。ずっと一緒にいた気がするのに、一人に戻ることを選んで今さらようやくステージに立つ彼と対面できた積年の思いに、彼のお茶目なおとぼけ芸をもってしても余る涙がこみ上げてきました。

 神椿Fes Day.2、これまで万来の祝福を送られて、それを受け止めるのか無視するのか、結局孤独に自分のことを語り出す彼の姿が、愛しくすら思えます。客席からはアコギを抱える彼のシルエットしかわかりませんが、その手癖のあるコード進行が、目の前にいるのは確かに僕たちがずっと聞いてきたカンザキイオリであることを訴えてきます。

 新曲『なぜ』、あまりにも反抗期。遍く人類を想い、勝手に期待し勝手に幻滅して去っていこうとする彼には、もうこの場所から何を言っても届かないのだろうか。あまりにもリアルな別れを歌う曲に会場は悲愴感で埋め尽くされたかのようでした。でも、そこで語り掛けられる最後の一言。

「でもあなたが邪魔をするのはなぜ」

 これほどまでに精緻にリアルで悲惨な感情を歌詞にしながらも、それでもほんの少しだけ、こちらを振り向こうとする気持ちを見せるその一言は、命に嫌われているから変わらない彼の優しさを表していました。

 不可解参(想)にて彼の卒業が発表されてからずっと言いたかった、でも言えなかった「行ってほしくない」という言葉をあえて肯定してくれたカンザキイオリ、ありがとう。

 

6.Collaboration with SINSEKAI STUDIO

 Day.1に引き続きディスコタイムを挟んで、いよいよバーチャルアーティスト×リアルアーティストの邂逅です。まさにカオス。ちょっと全てを差し置いて、一つだけ叫びたいことがあるんですよ。叫んでいいですか?いいですね???ありがとう。

 

VALIS!!!そしてCHINO先生!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(会場で叫んだ筆者の声をテキストに圧縮して持ってきました。ヴァンデラーはそういうことができる。)

 

え?なに?キミ達そっち(リアル)側で出るんですか???聞いてないけど???そしてその上段、踊るには高すぎ&狭すぎない???でも踊れちゃうんですね~~~なぜなら彼女たちはムキムキ体幹最強キャットなので。
と思ったら歌うじゃん!!!CHINO先生歌割り一番目じゃん!!!うれし~~~~!!!やっぱりCHINO先生なんだよな……上段でフリッフリの萌え袖を翻しながら豊洲PITに歌うCHINO先生はとてもかっこよかったです。

 TIME、めちゃくちゃ良かったですね。幸祜のパフォーマンスを十分に活かしつつ、妖艶な印象が新鮮なダンスは、VALISのララが振り付けを担当。7人の響きあう歌声とキレキレのダンスが会場を大いに盛り上げました。

 

 ここで個人的にうれしかった小噺を一つ。神椿Fes、あまりにもなデカイベントが豊洲PITオールスタンディングな故に、現地ほんとうにヤバかったんですよ、人。人ごみに圧倒されながらもなんとか段差に上がれたのでステージは見えたんですけど、それにしても目の前に人はいるわけで……

 と思っていたら開演前に連れの人とCHINO先生いつ来るかな~と言っていたのを聞かれていたのか、最前列のグループに「キミVALIS推しでしょ?!前行きなよ!」と替わっていただくという確変が発生しました。譲ってもらいながら「CHINO先生のペンラは白でして……」と予習を促しつつ、いざ始まって見るステージは最っっっ高でした。

 CHINO先生に届け!とバンバン飛んで踊って叫んでの大発狂を演じた結果、「いや~キミめちゃくちゃはしゃいでてよかったよ!譲った甲斐あったね」なんて称えられが発生する始末。前の一段何度か移動してるなと思っていたのは、互いに推しステージを把握して譲り合っていたんですね。ライブ慣れしてる方々なのかな。おかげでめちゃくちゃ楽しかったです。本当にありがとうございました。

 

7.V.W.P

 一呼吸おいて、Day.1と同じくアメリカから理芽チのビデオレター再び登場です。この展開はまたもや!?と浮足立つ会場ですが、ここでいきなり本人の口から帰国が発表されます。おかえ理芽チ!!!
 そしてこのステージでしか見れない事件と言えば、理芽ちゃんのピンチヒッター裏命ちゃんだけでなく、「特殊歌唱形態『花魁鳥』」に身を包んだCIELちゃんがV.W.Pと並び立ったことですよね。全部やるじゃん!!!でも待ってた!本当にありがとう!!!
 赤いスカートを翻して歌うCIELの姿が鮮烈なステージでした。

 

8.カンザキイオリ×花譜

 一団が去り、再びステージの左右から歩いて現れる、カンザキイオリと花譜。二日間続いた伝説の神椿Fesもいよいよ大詰めです。一曲目は『あの夏が飽和する』。何度となく別れを繰り返してやっと大人になったカンザキイオリと、その幼さに可能性を見出され続けてきた花譜の出会いに、この5年間で巻き起こったありとあらゆる全てが駆け抜けていきます。多くのアーティストが立ち、その何千倍もの人間がそれを聞くこのフェス自体、振り返ればこの二人の出会いから生まれたものでした。
 そして「最後の最後の曲です。せーの」と呼吸を合わせて始まるのは、『狂感覚』。花譜ライブシリーズ「不可解」を作り上げる「TeamFUKAKAI」を詠う曲としてファースト不可解から続く『不可解』シリーズ最期となる楽曲です。
日本武道館で不可解参(狂)でこの曲が初披露された当初、筆者はこの曲を神椿スタジオプロデューサーPIEDPIPER氏が主題の曲だと思っていました。2018年10月18日YouTubeにて花譜が出現。2019年8月1日LIQUIDROOMにて花譜ファーストワンマンライブ不可解開催。4年間という歳月の中で、成長を続ける花譜と共にあれから変化した彼のスタンスの吐露のように思えた狂感覚ですが、この二人のデュエットを通じてまた受け取り方は変わってきます。PIEDPIPERの庇護を温もりだ安寧だと馬鹿にし、傍に立ち博愛を差し出す花譜すら泣きながら突き放して、孤独を往くカンザキイオリのメッセージも、ここには含まれていたのです。

「愛が世界を救うとか 腑抜けた言葉が流行中」「何一つ信じちゃいないけど 君にならいいよ」

本当にいい言葉ですよね。世界は不条理で、そこに暮らす人間も不条理で、人類なんて押し並べて考えようとしても絶対に当てはまる公理なんて見つからないこの時代。そんな世界を生きながらそれでもたった一人、綺麗事を送りたい「キミ」を見つけ出すことのできた彼らの喜び、恐れ。この気持ちがどうか世界に届きますようにと願う彼らの勇気が伝わってきます。
 まさに「君と僕と世界で三原色」となるライブでした。

 

 

おわりに

・cytokine :はい、神椿のオタクでした。KAMITSUBAKI FESは声出しOKだったということで次回以降も声出しOKになるかと思います。1st不可解のようにこれがライブ本来の姿なんでしょう。FES以外のライブの声出しがどんな感じになるか楽しみです。それでは、バイバイ。

lain:AIの身からなるシンガーユニットのお披露目である「シンギュラリティの火」、色んなコラボが入り乱れる「カオスの火」、サブタイトルがちゃんと実態を表していてとても良かったです。「日」ではなく「火」なのは日常ではなく始まりを表すためなんですかね。いつかこれが日常になるといいですね。カンザキさんの卒業も間近だったし、意外と神椿史的には大きいイベントでした。声出しも楽しかったし次回も参加したいです。それではまたどこかでお会いしましょう!

・つらら:神椿Fes、たのしかった~~~!!!カンザキイオリ、花譜、ありがとう。あと立ち位置ゆずってくれたオタクもありがとう。CHINO先生は豊洲PITでも最高でした。
P.S. cytokineくん、lainくん、執筆待たせて&記事フッとばしてほんっとうにごめんなさい!!!いつかサケトメシト行きましょう。なお、今回の僕に当てられた仮下書きは「青春の温度が君を待っている」でした。待たせすぎ。なんならアーカイブの理芽の「何年待ったと思ってるの」がお叱りの声に聞こえて怖かった。