天使代行ラングドシャ大学入学記念卓『ネバーランド・クラブ』感想

0. はじめに

 皆さま初めまして。一般TRPGプレイヤー兼京V同会員です。このブログはタイトルにもある通り、CoCシナリオ『ネバーランド・クラブ』の感想ブログとなっております。そのため、シナリオのネタバレを含みます。特に未通過、通過予定の方は「3. プレイ感想」以降の閲覧をお控えください。

1. 立卓経緯

天使代行ラングドシャとは

 これらのブログを読むと6割くらいわかるとされています。

 ちなみに残りの4割は第4話プロセカ実況無限のTRPGです。あれ、意外とあるな……(そりゃ3年も前の記事なので当然)(当時の内容としてはマジで完璧すぎるブログです)

 ブログ3本も読む時間がない方はこの動画を見ればおおむねわかるとされています。

30秒で見れるうえにめちゃくちゃクオリティが高いのでぜひ見てください、見ろ。

大学入学記念卓とは

 いつも通りTwitter(現:X)を見ていたらこのツイートが流れてきました。

 「セクシー&キュートな歌って描ける天使Vtuber」として活躍しているラングドシャ様が賢くなってしまったらどうなってしまうのでしょうか。神にでもなるつもりですか?いや、天使か。

 そんな戯言はさておき、"何かを学ぼうとする人"が好きすぎる筆者が何か応援できないかとBOOTHを開いたのがきっかけでこの卓が誕生しました。惰性で大学に入学した自分より500倍はえらい。改めまして、大学入学おめでとうございます。めちゃくちゃ応援してます。

ネバーランド・クラブ』とは

 天使代行ラングドシャ様によるクトゥルフ神話TRPGシナリオ、現代イギリスの全寮制男子校エレメンタリースクールを舞台にしたクローズドシナリオです。詳細に関してはBOOTHの概要欄をご覧いただいた方が早いかと思います。

 個人的には探索者が全員小学生というところが面白いポイントだと思いました。一応初めてTRPGを触ったのは中学生のときでしたが、一度も小学生PCを持ったことがないことにこのシナリオを読んでから気づきました。確かにシナリオに指示されないとわざわざ小学生にすることないな……

 ということで、TRPGプレイヤーが異常に多いことで知られている京V同でPLを募集し、『ネバーランド・クラブ』を回してみようとなったのが今回の卓でした。

2. PL/PC自己紹介

KP: 綿貫すとら

 京V同屈指の変なやつ、あるいは初代会長。初めてTRPGをプレイしたのは10年以上前だが、しばらくやっていなかった時期があり、本格的に復帰したのは3年ほど前。好きなシステムはCoC、KPかSKPでゾッとする描写を読み上げるのが趣味。
 天使代行ラングドシャ様は先述のブログを書いた先輩に教えてもらって惚れ、「薄明光線」で堕ちました。曲も歌詞も良すぎる、全人類聞け。

個人的Vtuberオリ曲ランキングTOP5から落ちたことのない曲。神。

HO1: PL シルビア /PCヴィクター・ハーマン・コリン

 京V同メンタルケア部OG。TRPGをプレイしたのは高校卒業後の春休みにあまり喋ったことのない同級生の家に呼ばれたときが初めて。リプレイ動画だけはniconico-videoで視聴していたため、実際にプレイできることが凄く楽しかったのを覚えている(高校生メイドさんだった)。それ以降2年ほどCoCタイマンテキセの修羅と化す。オンセだとまだ照れが出る。天使代行ラングドシャ様については上述の他会員たちが布教していたのを聞いていただけだったが、一昨年の冬に初配信を聞いて仰天、ドシャ様の凄さを思い知った。見ろ。

 本PCは、現在PLがドハマり中のフリーノベルゲーム、「十二股全部フる」に登場するキャラクター「東漸勝」を大リスペクトして作成した。同作者様の過去作「ケートス号にまつわる記録」にも登場する彼は、作品内からエリート軍人家系出身であり、「当然、勝つ」という名を授けられているキャラクターであることが窺える。この解釈から、「ヴィクター(勝利)」「ハーマン(戦士)」「コリン(勝利者)」と名付け、優等生らしく真面目な、しかし未だ未熟な11歳らしい可愛げのあるRPを目指した。

 ものすごくいいゲームを作られる方なので全人類凡さんのゲームやってくださいお願いします勝手にめちゃくちゃ拝ませていただきます やる?やった~!

凡さんのTwitter<https://twitter.com/EgoMixer>

HO2: PL つばさ /PC ヴァン・K・C

 京V同の一般会員。TRPGは4年前くらいにニコニコのルーニー動画を見てから始めました。PLとしてはキャラクターの設定や背景を深く考えて(妄想)作ったり、キャラ設定に基づいた名前を決めるのが好きです。
 本PC『ヴァン・K・C』はHO2で劣等生PCを作成することになりましたが、普通の暴力ヤンキー系や不登校系とは一味違った、絵画に没頭しすぎた結果学業を疎かにしたPCとなっており、名前も世紀の芸術家「バンクシー」をもじった名前となっております。みんなも意味を持たせた名づけPCを作りましょう!!
(追記 ドシャ様の『ワールドイズマイン』がはちゃめちゃに可愛いので全人類聞きましょう)

HO3: PL Bismuth / PC アラン・ミラー

 京V同の一般会員。TRPGを知ったのは10年前だが、場数(卓)はあまり踏んでいない。一番触れ合っているシステムはCoCで、PLとしては「RPの方が好き!」「謎解きの方が好き!」などの偏りは無く、PCを自らに落とし込んで行動を考える......つまり、TRPG全体が好きである。BIG LOVE。(以前よりドシャ様の活動は、前述の先輩から教えてもらっていました。月並みな言葉にはなりますが、影ながら応援しております!)

 今回、作成したPCは『アラン・ミラー』くん。11歳。卒業間近の転校生として学園にやってきました。転校してからというもの、自分からは積極的に他の生徒との交流は図ろうとしないようです。ただ、不良というわけでもなく、粛々と学生生活を送っています。

3. プレイ感想

※ここから先はシナリオ本編のネタバレを含みます。シナリオ未通過の方はご注意ください※

 自分のキーパリングの特徴として、せっかくTRPGなので「マジで何でもあり」になるように意識しています。PC協力型シナリオでも対立しようとしていたら個別行動を認めますし、探索箇所にない場所でも探索を認めたりします。PL/PCの「ここでこういう情報がないか調べたい」という提案に対して、「調べることは可能だがそれを調べることに時間や労力を使った」ということをシステム的に反映させるために何も出てこない技能を振らせることも少なくありません。そのためたいていの卓で予定時間を超過します、ごめんねPLたち……。今回も例にもれず、想定4時間のシナリオを8時間かけて回しました。

 さて、クッション代わりに特に意味のない文章を適当に書いたのでシナリオ未通過の方はすでにブラウザバックしていることでしょう。ここからは本格的に本卓の話をしていきます。まだの方はブラウザバックをお願いします。

 

卓の概要・KP視点

 結果的には「ED2: 君のいない未来」になりました。直接的な暴力行為を働いたわけではありませんが、話し合いではなくリピーターのすきをついて核を奪おうとしたことを「ED2に到達しうる行動」と判断しました。ここはKPによって意見が分かれそうです。ほかのKPやドシャ様がどのような判断を下すのか気になるところではあります。

 また、ED2内のオリジナル要素として、HO2とユベル、HO3の警察署でのED描写だけではHO1がかわいそうだと思ったので、「PC2とユベルが話している様子を遠くから眺めていたあなたは、仲の良かった先輩であるジェムが来てくれているかと思い辺りを見回すことでしょう。しかし、彼の姿は見当たりません。僅かな寂しさを覚える一方で、あなたはいずれその事実すらも忘れてしまうことでしょう。」という個別ED描写を加えました(卒業式の描写→HO2ED→HO1ED→警察署の描写→HO3EDの順でEDを描写しました)。文章等は要調整だとは思いますが、何かしら描写があった方がきれいだと思います。

 探索パート自体は、PLがマザーグースを知っていたうえにPCたちが親に教えてもらっていたというRPをしてくれたのでかなりサクサク進みました。理科準備室で「予習のために先生に鍵を開けてもらう」と言い出したので「予習のために必要な実験器具を準備室から取り出した先生は、準備室から出るときに鍵を掛けました」と描写したらPLたちが頭を抱えていました。開けっ放しにするわけないだろ。

 時間がかかったのはネバーランド・クラブの地下室に到着してからでした。HO1がなぜか先入観で「ジェムはネバーランド・クラブに招待されたが入っていない」と思い込んでしまったためジェムのノートも出てこないし、ジェムとユベルの関係も明らかにならないという事故が発生しました。こう考えるとジェムのノートの重要度がかなり高いことが分かりますね。

 一応、個別回想シーンは1年前であることや、名簿の最後の行がジェムであること(ユベルの名前はないこと=招待された人の名簿ではないこと)をそれとなく触れてはいたのですが、感想会で「ヴィクターはその弱さを克服した過去を持っているので先輩のジェムがそんなに弱いわけがないと思ってしまった」と言っており、これはこれで良いなと思いました。

 また、HO1・HO2がネバーランド・クラブに入りたがらず、一度HO3だけで行くと言い出したので、個別導入のようにVCを分けてHO3だけに描写を見せてRPで伝達させるということをさせた辺りは面白かったです。紙コップと裁縫道具の糸で糸電話を作って中に入ったHO3と連絡を取るというRPは小学生らしくてとても良かったと思います。紙コップは旧ネバーランド・クラブが残していったものを見つけたことにしました、面白そうだったので。

 あと、HO3が自分から「これ大人の姿が女性ってありなん?」と聞いてきたときは爆笑しました。これを自力で思いつくPLいるんですね。もちろん認めましたし、RPの端々に女性っぽさが表れていたのが癖でした。

KP感想

 PL会議でED1を目指していることが感じられていた分、直接的な暴力行為じゃないところでED2に持ち込むことに抵抗はありましたが、これもTRPGだと思ってED2にしました(すでに8時間経過していてPLたちが煮詰まってしまっていたのもある)。

 このシナリオの難しいところは「小学生になること」だと思っています。思っているよりも単純だし、短絡的だし、物事を固執して考えてしまうRPがどこまでできるかというのがハードルではないでしょうか。特にグレート・オーモンドのような名門に通っている子ほどその傾向は強いと思っています。まぁ普通の公立小に通っていたのであくまで推測でしかありませんが。

 振り返りとしては、KPとしてもう少し歩きやすい道を示してあげれたかなと少し反省しています。PLたちがかなり熟練のTRPGプレイヤーだったので自由度高めのキーパリングをしましたが、それがかえってPL/PCたちを迷わせてしまった気がしています。このあたりは何度KPをやっても分かりません。

 それはそうと、ちょうど卒業と別れの季節にこのシナリオを回せたことは少しうれしかったです(卓自体は03/24)。ドシャ様良いシナリオを書いてくださってありがとうございました。また機会があれば京V同卓で回そうと思います。


p.s. 天使代行ラングドシャ様へ
 BOOTHのダウンロードページにver.1~4のzipファイルがあると思うのですが、ver.1~3を消すか、どこかに「ダウンロードするのはver.4だけでいい」旨を書いておいてあげた方が親切だと思いました。自分みたいに全部ダウンロードして「これ旧版じゃねぇか!」となるアホが今後現れないためにも……。

HO1PL感想

 先輩………………そんな……………入ってしまったのか…………………
 でも解体されるまでは幸せだったなら……………

 先輩も自分のように、子供っぽい誘惑などに惑わされず正しい道を歩いたと信じ切っていたので、ヴィクターは最後まで先輩の本意などには気付かず淡々とEND1の方角へと向かってしまいましたね。自分と同じ優秀な監督生の先輩がそんな心弱いわけないもんね。(子供らしく愛されたかった心は、環境によってポキポキと折られて埋められてしまったので、逃げたり抵抗したりするという選択肢がない。)

 ヴァンのところに先輩が来ているのを見てほんの少し寂しくなるPLとPCだった。

 招待状が登場したとき、設定全部忘れてラブレターかな?ってこぼしてしまったのが恥ポイントです ここは男子校なんですよね~ え?ラブレターもらったことあるヴィクター?まあ優等生だもんな(解決)

 PLの押しの弱い性格が影響して、「ネバーランドクラブを解体する・しない」+「どのような行動をとってから解体するか」で大悩みしているヴァンとアランもとい他PL2人を強引にでも解体に向かわせる優等生らしいRPができなかったのが心残りです。

 どうせおれの目的通り解体させるのだから、やり方は彼らの納得のいくようにしてあげようか……と腕組みして立っていた結果、理事長()としばらく棒立ちすることになってしまった。

 HO3の女性的な話し方が感情の高ぶりと共に(と感じた)表れるのを聞いて、どういうことなのだろう?と訝しみはしたものの特に指摘できなかったのも悔しい!絶対面白かったのに~~!!

 一番楽しかったのはスクールの手本として丁寧な言葉遣いの良識ある監督生でありながら、その立場を利用して探索部屋巡りをするRPでした。ヴァンとアランと連携して、お互いの得意なこと(技能ポイントが振ってあること)を利用して悪いこともしてしまうのが、子供っぽくていい……子供らしくいさせてあげたい……(PLのエゴ)

 先生に睨まれてしまうと、きっとヴィクターはご家庭で他2人より特にひどい目に遭う未来だったと思うので、どの悪事もバレなくて良かったです。ダイスの神様、ありがとう。

HO2PL感想

 前述にあった通り、小学生になりきるRPが難しいシナリオではありましたが、はやみねかおる先生の『都会のトム&ソーヤ』を参考に子どもらしく騒げたと思います。理科室の水素ボンベとマッチで校長を脅そうとしたときリピーターに止められたのは面白かったです。
 シナリオ全体としては、劣等生として、またPCとしても子どもたちの居場所を守りたいという思考で行動しました。その結果対立シナリオになりました(泣)。ネバーランドは残したい、でもリピーターは現実に戻してあげたいという板挟みによって学園中を走り回ったりして楽しかったです。
 GM、PLのお二人、そしてシナリオ製作者の天使代行ラングドシャ様、皆様本当にありがとうございました。

HO3PL感想

 はい。大人の姿を女性にした人です。今回、「大人の女性をショタにさせていいか?」を自分から提案したゆえに、KPから許可が下りて後に引けず、RPに苦労しました。ベースは「僕」「~じゃないか?」など自分の思う『良いとこの坊ちゃん』像で話して、時折、「私」「~よね」などを入れる(つい素が出てしまった、ような)形にしました。気になるか気にならないかくらいの違和感を出せていたら良かったですが......自分にはわかりません。

 今回のHO3は、正味、難しかったです。実は大人で警察官なこと・自分が課した大人の姿の設定を踏まえると、もうちょっとグイグイと先導したり、秘匿の開示を早めにしたりしても良かったかなと反省しています(時間も想定の倍かかりましたし)。でも、それだと、HO1・HO2の思いの強さは味わえなかったと思います。結果的に、「悩みに悩んだ末のED2」という、TRPGでしか味わえない面白さが出たんじゃないかなと思っています。PLs&KPありがとう! そして、シナリオ製作者、天使代行ラングドシャ様にも格別の感謝を!

 ちなみに、今PCの『アラン・ミラー』の名前は、江戸川コナン方式で組み立てました。「エドガー・アラン・ポー」×「アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー(アガサ・クリスティ)」

4. さいごに

 個人的におすすめのネバラブ配信を紹介しておきます。

 言わずと知れたTRPGプレイヤーたちによる最高のRPと、HO3が今回の卓と同じ大人女性PCだったという点で#かなくるコークラブを選ばせていただきました。RPがうまい人ってなんであんなにうまいんですかね……才能ですか?ぜひ皆さんも見てみてください。

 今回は1度回しただけでしたが、京V同には推定30人以上のTRPGプレイヤーがいるので、またどこかでこのシナリオを回せたらいいなと思っております。その際はブログを書くかどうかはわかりませんが、きっとインターネットのどこかに感想が垂れ流されることでしょう。

 ここまで読んでくださりありがとうございました。それでは、またどこかのVtuberの配信や動画でお会いしましょう。

(記事執筆:すとら)