こんにちは。本記事は、光る美少女展京都 に参加した京V同会員のイベント体験記です。
光る美少女展 京都 ~安珍・清姫伝説編~ について
www.emorimiku.com
光る美少女展 京都 安珍・清姫伝説編 は、2021/11/27 (土), 28 (日) に京都市左京区の妙満寺で開催されたイラスト展示イベントです。
人気イラストレーター 6 名のサイン会、グッズ販売、光るイラストの展示などが行われました。
光る美少女展のすごいところ
グッズ
とても高品質なグッズが発売されています。
和風なイラストの雰囲気とマッチしている掛け軸、透明感が抜群で色も綺麗なアクリルブロック、とても色鮮やかで精細なジークレーなど、他では手に入れることが難しいグッズばかりです。2021 年中ならオンラインストア(https://emorimiku.shop)にて購入可能なので、興味のある方はぜひご覧ください。
感想
イラスト
安珍・清姫伝説をなぞりながら描かれた 6 枚のイラストについてそれぞれ簡単に感想を書こうと思います。
「邂逅」にじはしそら先生
清姫伝説壱 邂逅
— 絵守未來 - 光る美少女展京都 (@miku_emori) 2021年11月30日
旅の修行僧であった安珍と出会った清姫は一目惚れしてしまいました。安珍と運命的な(清姫はそう思った)出会いを果たした直後にキュン死した清姫をにじはしそら先生が見事に表現されています。 pic.twitter.com/oCBdnEonAG
ふじ:
運命の出会いだという感じが全面的に出ている絵だと思いました。まさに一目惚れという表情を見ると、こちらまでも胸がキュンとしてきます。また、表情から清姫の初々しさを感じました。この絵を見ていると清姫に視線が自然と吸い寄せられる感じがしました。上の方から照らされているような光の当たり方も好きです。
那由多:
運命の出会いであることを示すように赤い糸が散りばめられ、それがまた絡みついているというのがいいですね。目がハートっぽくなってるのもポイント高い。また、口に添えられた手もまた可愛らしく最高です。食べてしまいたいです。
「恋慕」胡麻乃りお先生
清姫伝説弐 恋慕
— 絵守未來 - 光る美少女展京都 (@miku_emori) 2021年11月30日
安珍のことを四六時中想っていた清姫は自分を抑えることができずに遂には夜這いをかけます。安珍が宿を取るその庭で「意を決した」清姫を胡麻乃りお先生が繊細に描きあげました。 pic.twitter.com/y3xO2grFtA
ふじ:
テクスチャが加えられ少しレトロな和風テイストになっていて、普通見るデジタルイラストには稀な”ぬくもり”がありました。少し涙がこぼれかけている絶妙な表情が琴線に触れました。手や口の形も魅力的で好きです。あと、髪の毛のふわっとした感じや白いパーティクルから幻想的な雰囲気が醸し出されていて、世界観が際立っていました。
那由多:
背景のぼかし方や着物に散りばめられたものに古来の日本を思わせるものがあり、今回のテーマに非常に合っているなと思いました。最近のデジタル絵と思わせない描きたい時代にあった絵柄で好きです。あと手が食べたいです。
「悲恋」すいみゃ先生
清姫伝説参 悲恋
— 絵守未來 - 光る美少女展京都 (@miku_emori) 2021年11月30日
清姫に若干引き気味の安珍は「いまから参拝なのでまた寄ります」と約束し、立ち去ってしまいました。待っても来ない安珍に「騙された」と知った清姫は遂にヤンデレ化。運命の赤い糸を信じ、後を追います。普段はかわいらしいイラストを描くすいみゃ先生渾身のヤンデレ顔が光ります。 pic.twitter.com/zVoQys08DT
ふじ:
この絵を初めて見た時、大きく心を動かされました。可愛さと同時に、絵に込められていた感情が一気に頭に押し寄せてきたのです。見れば見るほど絵の魅力が次々とわかってくるという新鮮な体験をできました。
特に魅力的だと思ったのは表情です。自分はすいみゃ先生の描かれる表情がこの上なく好きです(例)。この絵では、普段の可愛さとはうってかわって、「顔は笑っているけど目は笑っていない」といったヤンデレ的な表情が見事にインパクトのある形で描写されています。じっくり眺めているうちに忘れられなくなるほどその表情の虜になりました。
また、髪の毛の描き込みの絶妙な色の変化、赤い糸の絡まりなど、細部の描き込みもこの絵をより深いものにしています。
那由多:
一言でいうなら「エッチ」です。ここまで好意的な表情をしていたのにここにきて激情に似た表情を投げられるとすごく興奮しますね。全体としても流れが変わる局面でありそこでこの表情を描いてきたすいみゃ先生はすごいなと思います。赤い糸の使い方や背景もすごく好きです。口に添えられた手もエッチですね。
「心火」望月しいな先生
清姫伝説四 心火
— 絵守未來 - 光る美少女展京都 (@miku_emori) 2021年11月30日
清姫に追われていると知り、和歌山道成寺の鐘に隠れた安珍。ヤンデレ化した清姫は秒で特定し、蛇の姿となって鐘ごと安珍を焼き尽くします。震える怒りと激烈な愛によって死を覚悟した清姫が涙を流しながら炎を纏う姿が望月しいなさんによって鮮烈に描かれました。 pic.twitter.com/nrpHDLxcpa
ふじ:
差し伸べられた手、炎、涙といった近景から臨場感を感じました。それと同時に、差し伸べられた手に届かなさそうな清姫との距離も感じました。これは物語と照らし合わせて考えると、納得できます。
炎が加わることによって、清姫の感情が強調され、絵全体のメリハリもついています。
那由多:
涙を流す表情、こちら側に手を伸ばす構図、煌めく炎などどれを取ってもいいですね。燃える炎の存在をうまく使って描かれているのが好きです。流れていく涙に炎が映って見えるのとか好きです。
「円寂」にもし先生
清姫伝説五 円寂
— 絵守未來 - 光る美少女展京都 (@miku_emori) 2021年11月30日
非業の死を遂げた二人は畜生道に堕ちてしまいましたが、法華宗住持によって供養され、その夢に現れます。清姫はなんと観世音菩薩の化身だったのです。住持の前に菩薩の姿で現れ、供養のお礼を伝える姿をにもし先生が艷やかに描きあげました。 pic.twitter.com/pVTPKwrimd
ふじ:
これぞにもし先生と言わせんがばかりの、とても繊細で美しいパステルカラーの絵です。優しい色遣いで描かれた背景や花から天界の穢れなさが想起されます。また、柔らかくて慈愛に満ちた表情を見ていると、心が穏やかになります。
那由多:
ここにきて白を基調とした淡い色を使った作品ですごく映えると思いました。これまでの何らかの感情が滲み出る表情とはうって変わり穏やかな表情を浮かべているのがすごく良いです。天人の荘厳さが伝わってくるこの感じが好きです。
「輪廻」藤ちょこ先生
清姫伝説六 輪廻
— 絵守未來 - 光る美少女展京都 (@miku_emori) 2021年11月30日
清姫の死から四〇〇年後。消失した鐘を再建し、供養をしていたところ、とても美しい男装の白拍子花子が現れ、舞を舞って供養を妨害します。この花子こそが怨霊となって転生した清姫だったのです。藤ちょこ先生によって描かれた荘厳な清姫。もはや私達が語るべきこともないでしょう。 pic.twitter.com/WK5qBeMB7p
ふじ:
めっちゃすごいの一言に尽きます。とても鮮やかな色で描かれた清姫、鐘、蛇、花などのたくさんのものが、統一感を保ったまま1つの絵にまとめられているということに感動しました。とても情報量が多く、見れば見るほど気づきを得ることができ、いつまでも細部を見ていられます。
那由多:
語彙力を失いかける作品です。背景の花々の鮮やかさが邪魔することなく清姫を際立たせているのがすごいと思いました。妖艶さを匂わせる表情がとても好きです。藤ちょこ先生らしい色使いでやっぱりほれぼれしてしまいます。
ライトアップ展示
ふじ:
雪の庭での光る絵の展示では、現実世界とは違う空間にいるような感じがしました。ライブのクライマックスで感じる「ここはどこ…自分は…」みたいな我を忘れる没入感がありました。絵が非常に素晴らしいのはもちろんですが、それと同時にライトアップされた庭や歴史を感じさせられるお寺の内装など、空間すべてが幻想的で日常とはかけ離れたものでした。光る美少女展でしか味わえない唯一無二な体験ができました。
光る絵はとても綺麗で、どのような角度で、どれだけ近くから見ても、くっきりと鮮やかに見えました。光の反射が気にならないほどわずかだったので、集中して絵を鑑賞できました。
SNS で流れてきた絵を数秒だけ見ることが多い時代ですが、じっくりと絵を見ることの価値があると考えています。今回感じたのは、見れば見るほど絵の魅力が見つかってくるということです。ただ単にその絵をもっと好きになるというわけではなく、この部分のこの塗り方が好きみたいな具体的な気づきです。この気づきの体験は展覧会以外では味わい難いと思います。
那由多:
今回の目玉である夜のライトアップ展示ですが大変とても素晴らしかったです。感動しました。頑張って F5 戦争に勝った価値はありました。
ライトアップされると作品の違った一面が見れるのですが、特に惚れたのが望月しいな先生のイラストです。
周囲が暗いことも相まってイラスト内の細かな黒の違いがはっきりと分かったり炎の煌めき方が綺麗に見えたりと通常展示とライトアップ展示で大きく印象が変わった作品でした。黒の些細な違いは気づきづらいものですが、この作品の場合ライトアップされたことでそれが見事に表現されるようになったなと思いました。自分の中で新たな世界が開けた気がしました。
それ以外の作品に関しても、先ほども書いたように鑑賞環境が変わると印象がガラッと変わりそのギャップも含め楽しむことができ非常に良い体験でした。次の機会もぜひ参加したいと思えるものでした。
サイン会
ふじ:
列に並んでいる時間が短く、時間が来るまでグッズを見たり休憩スペースで読書をしたりできて、待ち時間に退屈することはありませんでした。
サイン会に参加するのは久しぶりだったので少し緊張してました。しかし、自分の番が来るとサインを頂ける喜びで頭がいっぱいでした。一度に3名もの絵師さんにサインをしていただくという体験はとても濃密で忘れがたいものです。新しい家宝ができました。
那由多:
人生で初のサイン会で終始緊張し限界化しないことを目標に臨みましたが……実際は盛大に限界化し口角があがるのを抑えられないし神絵師様とまともに会話ができないしと散々でした。それでも目の前で自分のためにサインを書いてくださってるのを見てそれをいただけるという貴重な体験ができたのは最高でした。今度こそは限界化しないようにしたいですね。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございます。素晴らしいイベントに参加することができて良かったと執筆者一同思っています。
【全体公開】光る美少女展京都 跋文|絵守未來 - Miku Emori|pixivFANBOX
を見ると、運営の方々がこの光る美少女展 京都 のためにたくさんの準備をされてきたとわかります。このイベントに携わられた皆様、このような素敵なイベントを開催して頂きありがとうございます。 次の光る美少女展も絶対に参加したいと思っています。
(記事執筆:ふじ 那由多)