会長の独り言:謝罪、あるいは夏休み科学Vtuber相談室の話

 初めましての方は初めまして、そうでない方はいつも京V同に興味関心を持ってくださってありがとうございます。京都大学バーチャルYouTuber同好会の会長、綿貫すとらです。

 前回からちょうど2週間たった「会長の独り言」、今回は少し学術系のお話をしたいと思います。ただの独り言なので、興味がない方はブラウザバックしていただいて構いません。

 

はじめに

 まずはこの動画をご覧ください。

 学術系Vtuberの方々が科学、学術の素朴な疑問に答えてくれる#夏休み科学Vtuber相談室、これまで38本の動画を通して様々な疑問にその分野の専門家たちが答えているとても素晴らしい企画です。

 そんな中、明らかに頭のおかしい質問が紛れ込んでいたのでしょう。この動画のテーマは数学上の未解決問題「クヌースの予想」のお話でした。ドナルド・クヌースと言えば巨大数の表記法で知られるタワー表記(クヌースの矢印表記)で有名ですね(本当に有名か?ときかれたら首をかしげるかもしれません)。動画はこの未解決問題をわかりやすく10分にまとめてくれているので、ここまで読んでまだ見てない方は一度戻って見てみて下さい。

 

謝罪

 結論から申し上げますと、この質問を送ったのは私です。おそらく夏休み科学Vtuber相談室に参加されているVtuberの皆さまからすれば「なんだこの質問」となったことでしょう。関係する皆さま、大変申し訳ございませんでした。どう考えても普通の人たちが日常に抱く疑問ではありませんし、書き方も明らかに「その界隈」の人が書いたとわかるものだったかと思います。その時の勢いでこのような質問を送ったにもかかわらず、こうやってきちんとお返しいただいたことにただただ感謝しかありません。

 

内容の話

 どうやら京都の某大学の理学部とかいう変人の巣窟で日夜単位に追われていると噂の京V同会長である私、まだ2回生ということもあって本格的な研究生活は始まっていませんが、このテーマに関しては高校時代からの長年の研究対象でした。そもそも私がこの疑問を持ったのは、動画内で言及もあった「4つの4」の派生形である「3つの3」を高校の数学の先生から出されたことがきっかけでした。その際は「3つの3」を出されてみんなで遊んだ程度で終わったのですが、その後個人的に「1つの3」で10を作れないかという発想に至りました。そこから「1つの3」でどこまで表現できるのかを考えるようになったことがこの研究の始まりです。そういう意味ではクヌースとほぼ同じ思考回路を一人で辿っていたということですね、なんだか誇らしいです。

 その後動画内で言及されている査読者と同じように階乗を全て平方根より先に行うことが出来るか、というところまではいったのですが、床関数と平方根入れ子にしたままだったということもあって、ほぼ同じところまで言っていたのにもかかわらず、そもそもこの問題に「クヌースの予想」という形で名前がついていたことすら知りませんでした。これは日ごろの論文探索量の少なさに起因するものだと思います、もっと論文読みます……

 ということで、今回こうやって専門家の方に動画で取り上げていただいたことで、私の研究(実際に卒論にするかどうかは知りませんが)に大きな一歩を与えてくださいました。それは、この問題に名前がついているという事実です。名前がついているならばその名前で先行研究の論文を調べることが出来ますし、私自身のアプローチ以外の方法に気づくことが出来るかもしれません。また、稠密性に置換できるということも大きな一歩でありました。これまで"factorial function"程度でしか検索することが出来なかった私に、前に進むきっかけをくださったのはこの動画です。改めて、ありがとうございました。

 

終わりに

 最後になりますが、おそらくこの企画の本旨から外れた質問をしてしまったこと、大変申し訳ございませんでした。そのうえでこうやって動画にしていただいたこと、本当にありがとうございました。日頃から学術系Vtuberの方を見てはいましたが、改めて学術の方々はすごいなと思いました。

 さて、独り言をつぶやくのはこの辺にして、最近忙しくて見れていなかったVtuberアーカイブを見てこようと思います。ここまで学術の話をしておいて研究を進めないのか、2回生なら夏休みこそ自分の研究をするべきではないのか、というご指摘はもっともではありますが、大学生であるとともに1人のVtuberファンですので大目に見ていただけますと幸いです。ちなみに、研究を進めなきゃいけないのも真実です()。ここまで読んでくださいましてありがとうございました。

 

以下関連リンク

夏休み科学Vtuber相談室のHP。これまでの回答動画などがまとまっているので、この動画以外にも興味があるものは見てみてほしい。

今回、クソ大学生による質問をきれいな動画にまとめて下さった回答者のお二人のtwitterはこちら。

素晴らしい動画のサムネイルのお手伝いをされたとのことなので、此方もぜひ。

 

(記事執筆:すとら)